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                            ■【関学出て鞄職人?】
        
                〜 魅力ある物作り、人が、私を変えていった〜

 Vol:12 「ありがとう・・・」
                                                   発行人:田村幸樹
                                   隔週発行

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人は失敗して成長します。 人は体験して成長します。
 
そして人は人と出会い成長します。
 
最初は、「大学出て鞄職人してるの?」
 
といわれるのが嫌だった私が、
 
今、物作りの厳しさ、楽しさ、すばらしさを
 
皆様にお伝えしています。
 
このメルマガを読んで一人でも多くの方が、
 
物作りに興味を持っていただけたら幸せです。
 
 
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発行人プロフィール: 昭和53年 大阪府立泉陽高校卒
             昭和59年  関西学院大学文学部卒
             昭和60年  有限会社JOB設立
             最初はメーカーに依頼して鞄を作っていたが
             5年目ごろから独学で鞄を作り始め、現在にいたる
 
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◆10月10日号 menu    
 
1・Vol:12「ありがとう・・・」
 
2・次回予告    【ペルー三兄弟 前編】 Vol:13 「ケツノケ?」

3・私の愛読しているメルマガ!

4・私のお勧め新作メルマガ!
  
5・マウスパットを作ろう!
 
6・ あとがき 
 
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皆様!おはようございます。

やっと秋らしくなってきましたね!

Vol:11で高田渡さんの名前を出させていただいたら、

たくさんの方々から「懐かしい・・」

とのメールを頂いてびっくり致しました。

メールをくださった皆様、ありがとうございました。


さて、今号は阪神大震災です。

神戸で仕事をし、生活をしている者にとっては避けられない話題です。

けれども、震災のことに触れるとあまりにも多すぎて、

まとまりがつかなくなります。

それで、このメルマガでは

私が震災で学んだひとつの事を書いて通り過ぎたいと思います。

それでは、楽しんでください!


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1・ Vol:12「ありがとう・・・」




あの地震が起こった二日目、

松本通りの私の事務所の入っているマンションはまだ燃えていました。

十字路の西北角にあるマンション、

その一階の一番東南角に私の会社はありました。

既に昨日の時点で、十字路の東北側、南東側の大部分

私のマンション以西全域が焼け野原となっています。

残っているのは、十字路の南西側と私のマンションのみ。

私の事務所が入っているマンションは西北側から火が入り

一部屋ずつ焼き尽くし、

炎は徐々に東南角の私の事務所に近づいてきます。


水がないのです。


私は、昨日より指を咥え自分の事務所が燃えるときを見守るしかありませんでした。


火種は既に、このマンションだけです。

延焼をくいとめた近隣の住民の皆さんが、私と共に寝ずの番をしてくれています。


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地震より三日目、

とうとう事務所の隣に借りている私の倉庫に火が入りました。

もう、事務所に火が入るのも時間の問題です。

私が、シャッターの閉じた事務所の前で呆然としていると、

「田村さん、ミシンを出そう!」

町内会の会長さんでした。

「もう、あかん!田村さんミシンを出そう!」

「おおいー、みんな、田村さんとこの荷物運ぶんや!

 若いやつあつめてくれ!」


避難所から、家の中から、あっという間に20人ぐらいの若者たちが集まってくれ、

私の事務所から、ミシン・漉き機・細切り機・などの機械を運んでくれました。

どれも、何人もの人間で持ち上げないと運べないものばかりです。

置き場所は斜め向の住民の方が

快く屋根のある駐車場を提供してくださいました。

そして、すべての機械を運び終わったその何時間か後、

「水や、水が出た!」

近隣に居た消防士が喜び勇んで私のところに駆け込んできてくれました。

そして、あっという間に消防車が5,6台駆けつけ、一斉に消火をはじめました。

バケツをひっくり返したような大量の水がマンションに降り注がれ、

瞬く間に火は沈下しました。


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火が沈下したことで、集まっていた近隣住民の方々が、

家路、あるいは避難所に戻られたため

マンションの前は急に静かになりました。

そこで、私は火が入ったほうの倉庫の後かたづけをしていました。

在庫商品の三分の一以上は燃えてしまい、

残り三分の二が大量の水をかぶってしまいました。

私が、水をかぶった商品を乾かすために並べていると

一人、又一人とひとがあつまってきます。

そのうちの一人の男性の方がナイロンのボストンを指差し、

「兄ちゃん、この鞄売ってくれへんか?焼け残ったもんを運ぶ鞄も、なんもないんや・・」

焼け出された住民の方たちでした。



私の腹は決まっていました。

「明日、ここに来てください!」

私は、集まってきた人々にそう言いました。


そして、町内会会長さんに倉庫の前に来てもらい、

「明日、僕は子供たちを家内の実家に避難させるために

 大阪に行きます。

 明後日には帰ってきますので、明日のうちにこの商品を

 会長さんが町の皆に分けてあげてくれますか?」

さすがに自分の目の前で、取り合いのような様を見ることは避けたかったのです。

会長さんは快く引き受けてくれました。


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私が、皆さんにお話したいのはここからです。


私の仕事は鞄を作ることです。

大阪に、契約工場や、職場さんがあるとはいえ

私が物を作らないと、生活できません。

一日休めばその分すべての仕事がとまってしまいます。


地震から5日目、大阪から戻った私は

近所の電気屋さんに頼み、関電の復旧を待つことなく

自力で、電気を引っ張り込みました。

そして、その日のうちに機械をもとの事務所に運び込み

ミシンを踏み始めたのです。

次の日も、その次の日も、

朝から夜遅くまで、自分のため、家族のため私はミシンを踏みました。

木枯らし吹く焼け野原の中に私の事務所だけが赤々と灯がともっていました。


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それから二ヶ月ほどして、私が外で作業していると

「おはよう!ありがとう!」

と声をかけて、ご婦人が通り過ぎていきます。

「今、なんか ありがとう!っていわれたけど・・・」

と家内に言うと、

「私もこの間、歩いている人に 『ありがとう!』って言われた」

と言います。

それから、何人もの人が

「頑張ってるね!ありがとう!」とか

「こんにちわ!ありがとう!」と私たち夫婦に声をかけてくれます。

最初は、鞄をもらった人かなと思いましたが、

彼らは、既に仮設住宅に移ったりしています。

何より、物をもらって言う「ありがとう!」とは明らかに違いました。


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この後、私の会社はマンションの補修工事のため一時的に別の場所に移り

再び、この松本通りに戻ってきたのは、その年の夏のことでした。

町は落ち着きを取り戻し、あちこちで復旧作業が行われています。


そんな夏のある日、一人の男性が私の事務所に来られました。

表通りでE金庫株式会社を経営しておられる、E社長です。

E金庫株式会社は、大正から続く老舗の金庫会社で

E社長とは面識もありました。


「君に鞄をつくってほしいいんや」

私よりも小柄なE社長はニコニコ笑いそう言います。

聞けば、鍵師の七つ道具を入れるので丈夫なしっかりした鞄が欲しいとの事。

「オーダーで作ると高くなりますから

 知り合いのところのカタログを取り寄せてあげますから

 そこから、選ばれたらどうですか?」

と私が薦めると、


「違うんや!君に作ってほしいんや!」


そして少し照れくさそうに、

「地震で会社が木っ端微塵につぶれてしまって、

 もうあかん!やめようと思っていたら、

 自分より若いあんたら夫婦が一生懸命働いとる。

 もういっぺん頑張ろうと思ったんや!」


「11月にあの会社跡にマンションが出来上がるんや。

 その一階で再出発する!

 その記念にあんたに鞄を作ってほしいいんや!」




私たち夫婦は、自分のため、家族のため一生懸命働いたに過ぎません。



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その次の年のお正月、

いつものように、会社の入っているマンションの大家さんから

年賀状を頂きました。

大家さんは、兵庫区の民生委員及び婦人会の役員もされています。

そこには、達筆な字でこう書かれていました。


「あけましておめでとうございます。

 あなたがた夫婦が、一生懸命働く姿に

 松本通りの住民の方々は

 勇気をもらいました。


 ありがとう!」


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松本通りの皆さん!

こちらこそ

ありがとう!



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追記:
     おわかりいただけたかと思いますが、鞄に限らず

     物造りの最大の素晴らしさは「見える」ということです。


      鞄を作っているところも見えます。
  
      作った鞄も見えます。

      そして、作っている心も見えます。


      この、「見える」ということは逆に言うと物造りの厳しさでもあります。


      さぼっているところも見えます。

      歪んでいるステッチも見えます。

      そして、やる気のなさも見えます。


       私のメルマガは皆様にどう見えていますでしょうか?



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2・ 次号予告
 
Vol:13 【ペルー三兄弟 前編】  「ケツノケ?」
 
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震災後神戸には、その復旧工事のため多くの人々がやってきました。

その中には、数多くの外国人労働者が含まれていました。

ウイルメル・ルーチョ・ハビエールのペルーから来た3兄弟もその中の一人でした。

このペルー3兄弟と私たち夫婦の間に起こった出来事とは・・・・・

次回より、3回に渡りお届けします。

初の長編エッセイに挑戦!

次回、Vol:13 【ペルー三兄弟 前編】  「ケツノケ?」

久々に笑わせます!

乞う、ご期待!



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3.私の愛読しているメルマガ↓


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5・本当に、本当に大好評!マウスパットを作ろう!
 
 
私の友人が、私の工房に来て
 
私の使用している自作のマウスパットを見て
 
「これ、メルマガ読者の方に作ってあげたら喜ぶと思うよ!」
 
とおっしゃる。
 
「えー、厚紙に革を貼り付けただけですよ・・・」
 
「でもサイズも、思いのままで名前も入っていたら
 
ほしいと思うよ!」


メルマガ読者限定販売!

「ホームページにアップしたら・・・」

と言うご意見もありましたが、

あくまでメルマガ読者限定販売!

だって、物造りの楽しさを体験してほしいから!


「メルマが読んだよ、おもしろかったよ、」

の一言でいいので送ってください。

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申し込みも、メールで結構ですよ!

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お買い上げくださった方の声↓

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田村さま こんにちは。
 
マウスパッド、届きました。
 
とってもステキですね。
 
マウスのすべりも良くって、満足しています。(^^♪
 
名前が入ってるのもいいですね〜。
 
 
たったひとつのものって、ちょっと豊かな気分になれちゃいますね。ムフッ(^^♪
 
ほんとうにありがとうございました。

                                       大阪府 N様
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N様、こちらこそありがとうございます。


興味がある方はこちら↓
 
http://www.job-jp.com/sakuhin.html

 
 
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6.あとがき
 
皆様、 Vol:12はいかがでしたでしょうか?

楽しんでいただけました?


初めて、テレビを見た人が

「よくこんな小さい箱に人が入れるね!」

と言ったという笑い話がありますが・・・


一年前、深夜一時、

息子のパソコンから、DELLにコンピューターを注文し、

すぐに、

「田村様ご注文ありがとうございます・・・・」

と返事のメールが返ってきたのに驚き、

「さすが、成長している企業は違うね!こんな夜中まで仕事をしている。」

と感心していた私と差異はございません。


そんな、超アナログ人間だった私が、

今、このメルマガで何百人の方と繋がりを持たせて頂いています。

そしてそのことが私に元気をくれています。

大きな声で、皆様に改めて言います。


「ありがとう!」




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発行人:田村幸樹

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最後までお読みいただいて本当に有難うございます
 
Vol.13予定は10月24日です。乞うご期待!