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  電脳屋台村



2004年12月12日のオススメ

 雨に濡れた東京タワーは、なぜ悲しいのか?

2001年12月に初版が発行された江國香織さんの「東京タワー」がまた売れ始めている。

要するに、いま、ちょっとした江國香織ブームが起きている。
そして、江國さん本人がどう語っているのかはまったく分からないのだけれども、ハタから見ると、「20歳そこそこの子になんか負けないわよ。恋愛経験だって、こっちの方がずっと上なんだからね」という肉声も聞こえそうな気がするのだ。

直木賞受賞作である「号泣する準備は出来ていた」(新潮社)も、この「東京タワー」そうであるのだが、大きなストーリー展開があるわけではない。
はっきり言えば、何もない。何もないところに、男と女の間に横たわる微妙なアヤを、みごとな文章表現で浮かび上がらせているに過ぎない。
要するに、うまいのだ。


「号泣する準備は出来ていた」は、「青春」を通り過ぎた30代後半から40代の男女の気だるい日常の一瞬を切り取ったが、「東京タワー」は2組の恋物語、それも大学3年生と年上の人妻との恋のやり取りを描く。

出だしは、こうです。
「世の中でいちばんかなしい景色は雨に濡れた東京タワーだ」
サラッと読むと、シビレます。

で、ボクは、片方の主人公である透の相手である詩央、白く透き通るように輝いている詩央さんを好きになってしまったのでした。

東京タワー



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